空き家の活用については、各地でプロジェクトが進められています。地域の特色を生かして盛り上がりを見せているものも多く、大学生が空き家の調査・活用を担っているものもあります。空き家プロジェクトで空き家の解消は進むのでしょうか?
■注目の空き家プロジェクト
『尾道空き家再生プロジェクト』
尾道出身で、ツアーコンダクターなどで世界を飛び回る生活していた女性が、解体予定の空き家を買い取り、修繕の様子をブログにアップ。再生プロジェクトを立ち上げ、その中心として活動し、空き家バンクと連携して70軒もの再生をはたしてきました。地方発信で住みたいと思う人を誘致できた成功例として有名です。
『MAD Cityプロジェクト』
松戸駅前のエリアを中心に、民間によるまちづくりプロジェクトを展開しています。2010年の開始から、200人ほどのアーティストやクリエイターの誘致移住に成功させ、空き家物件約70戸を活用しています。癖のある地元民の借り手がつかない空き家も、違った価値を見出してくれる人とのマッチングで誘致に成功しました。
『KGU空き家プロジェクト』
関東学院大学(KGU)の卒論がきっかけで、空き家活用に、学生向けのシェアハウスとして再生するプロジェクトが始まりました。
大学のある横須賀市追浜の谷戸地域にある空き家を、建築を学ぶ学生たちの手で改修しました。現在2軒目の改修工事が進行中です。地元の調査を丹念に行い、地域に貢献しています。
■空き家プロジェクトの成功の秘訣は?
空き家の抑制に国も本腰を入れ始めましたが、地域のことをよく知る人の力が大きいようです。実際に住んでいる人が魅力を発信することで、新しい住人を獲得することができるという面があります。
また、移住した場合にどんな生活ができるのか具体的にイメージできる仕組みがととのっているプロジェクトでは、より、その土地に住んでみたいと引き寄せる力も増します。土地の持っているコミュティ、景観、ライフスタイルがマッチすることが、実際の移住成功につながっています。
■東京の空き家プロジェクト
『世田谷トラストまちづくり』が運営する空き家活用プロジェクトが有名です。トラスト活動で「市民緑地」や「小さな森」の設置事業、空き家の活用事業など、地域に貢献しています。地域に誇りをもって、住みよい環境を守っていく取り組みを行っています。都市部でのまちづくりのお手本とも言える事業です。
現在、東京では、オリンピックに向けて大規模な開発事業が行われ、街の再開発が進んでいます。そんな中、特に新駅が予定されている品川周辺は新しいまちづくりそのものが、新しい人の流れを生み、空き家活用のプロジェクトに結びつきそうですね。