競売入札は、安く不動産ができ、不動産業者の中には、競売で仕入れた物件を改装して提供して収益をあげているところもあります。競売物件はなぜ格安で購入できるのでしょうか?競売物件の安さの秘密についてお話しましょう。
■理由1 競売にはリスクがつきものだから
競売にかけられる物件は、所有者本人が納得できていないまま、借金のカタに取られる形で売られてしまったものが多いのです。
住宅ローンが払えなくなって抵当権を行使される、事業の負債を精算するために財産を処分するためなど、裁判所の決定に従う形で泣く泣く売りに出しているケースがほとんどです。
どうしても、揉め事が関わってきますから、占有者にゴネられたり、買い戻しを迫られたり、物件が荒れ放題になっていたりするなど、リスクを負うことが予想されます。
こうした特質を見越して、売却標準額は、市場価格の7割程度、入札最低額は、そこから2割をしたまわらない額と決められています。
ここで言う市場価格と言うのは、不動産鑑定士が、競売物件を調査し、物件の状態や周りの相場感なども加味して出した額です。
■理由2 現状のまますべてを引受けなければならないから
競売物件は、内覧ができませんし、買受が決定したら、全てを引き受けなければなりません。
占有者がいれば立ち退き交渉をしなければなりませんし、残置物があれば処理委任の約束を取り付けて、処理しなければなりません。
雨漏りやガラスが割れているなど、明らかな瑕疵があった場合にも、保証はなく、落札者が責任を負います。
こうした、誰もが簡単に引き受けられない特殊な事情があるのが、競売物件です。
このため、リスクが低く、立地の良い物件は入札数が多く、落札額も上昇しますが、リスクを抱えている物件、立地が悪く人気のない物件では、市場価格よりも3割~4割安く落札されるのです。
■理由3 売却標準額そのものが低く設定されているから
理由1でリスクを持っていると言いましたが、そうした特質から、売却標準額そのものが安く設定されています。
『BIT競売情報サイト』の内容と、一般不動産検索サイトで相場を比べてみると、落札額が一般流通の8割にとどまっていることも少なくありませんでした。
不動産鑑定士が算定している、市場価格そのものが、実勢価格よりやや低めになっていることも多いようです。
一般流通の大手検索サイトで示されている『五反田の区分マンション2DK相当』は、2000万円~3000万円に価格帯ボリュームがあります。それに対して、五反田で競売標準額924万円の物件が1780万円で落札された例をはじめ、売却基準額が相場の下限に設定されている感覚でした。
(参考)981.jp
981.jp
(参考)ライフルホームズ
http://www.homes.co.jp/mansion/chuko/tokyo/gotanda_00575-st/list/