競売では、不動産鑑定士が土地の価値を調査鑑定し、売却基準額を決めています。この、基準額は、市場価格の8割ほどに抑えられていますし、『競売=安く買える』というイメージが広がっています。では、実際の落札価格はどれくらいになるのでしょう?
■東京では基準額を上回る落札が多数
実際の取引で、どれくらいの価格で落札されたのか、「http://981.jp/」で調べてみました。(2017年5月末調べ)
<区分マンション>
*「売却基準額」⇒『売却価格』
事例① 「1639万円」⇒『2293.5万円』(立会川)
事例② 「924万円」⇒『1780万円』(五反田)
事例③ 「762万円」⇒『1422万円』(大森海岸)
<戸建て>
事例① 「2048万円」⇒『3550万円』(戸越)
事例② 「2492万円」⇒『5123万円』(立会川)
事例③ 「1001万円」⇒『1777.7777万円』(戸越・大崎)
物件のニーズが高まっている品川区の競売結果を検索してみると、紹介した事例では、1.39倍~2.05倍の価格になっています。
競売は安く買えるのが特徴だと思っていたけれど、周りの相場にあわせて相応の落札額になることが多いという印象です。
人気のある都市部の物件では、業者がある程度の金額をだして落札する傾向があり、個人が売却基準程度の入札をしても、なかなか購入できないでしょう。
(参考)http://981.jp/
■競売になれた業者の物件を買う場合
東京では、全体に不動産ニーズが高まっていることから、価格も上向きです。
また、中古住宅を資源として活用する動きかに追い風を受けていることもあり、都心の好立地の競売物件をリノベーションして価値を高めて活用する動きも活発になっています。
このため、権利関係や法律規則など専門的な知識があり、価値をコントロールすることに長けているプロは、競売物件を使って、価値の高い物件をホドホドの価格に抑えて販売できるのです。
自宅として使うために、利便性の良い場所に安く購入できる物件を探しているなら、こうした、プロが落札して手を加えたものにも目を向けてみましょう。
競売・入札のリスクをかぶらずに、好立地でオシャレな部屋をゲットできます。
入札に参加するには、基準額の2割程の金額を買い付け保証金として振込、落札した場合には、落札額の払込をしなければなりません。
資金力に余裕がなければ、思うような入札が難しいのです。
売却標準額の安さに惹かれて個人が参入しても、希望の物件を落札させるは難易度が高く、簡単に落札できる物件は、“リスクの高い買い物”になることを知った上で検討する必要があるでしょう。