競売では、裁判所の取り決めで不動産を現金に買える手法です。入札で取引され、特別な資格は必要ありませんから、一般の人でも入札に申し込めます。市場価格の半値近い落札も可能だという競売物件の落札方法についてお話しましょう。
■競売物件の入札方法
競売と聞くと、値段を競り合って購入者を決めるオークションを連想しますが、裁判所が行う競売は、“けいばい”と発音され、一発入札です。
裁判所でもらえる入札書に、金額を書いて所定の封筒にいれて提出します。
受け付けた封筒を一斉に開けて、一番高い値をつけた入札者が購入権利を得ます。
安すぎる価格にならないように、裁判所が決めた『売却基準額』の8割程度以上の入札額にするルールです。
一発入札ですから、記入の不備、提出物の不備があると、資格なしになってしまう点も注意しなければなりません。
競売入札への申込みには、裁判所が決めた買い受け申し出の保証金の振込が必要になります。
売却標準額の2割程ですから、売却標準額2500万円の物件であれば、500万円程度。
あらかじめ、所定の振込依頼書を使って入金し、控えを支払証明書として提出します。
他に、住民票(法人なら資格証明書または登記事項証明書)が必要です。
<入札申し込み書類>
・入札書(所定の封筒にいれる)
・買い受け保証金振込証明書
・住民票(法人は資格証明書または登記事項証明書)
■競売物件のしらべかた
裁判所が競売にかけることを決定した物件は、裁判所で競売物件の閲覧をするか、ネット上の『http://981.jp/』から検索できます。
競売では、一般の人が用途に困るような物件や、取得後自費で更地にしなければいけないもの、建築制限があるものも扱われます。
物件の状況は、国家資格である『不動産鑑定士』が調査を行い、『現状調査報告書』『評価書』『物件明細書』にまとめられています。
これらは、“三点セット”と呼ばれ、競売物件のスペックをはかるのに大事なアイテムです。
裁判所か、『http://981.jp/』でも閲覧できます。
■三点セットを読み込んでリスクを回避
競売の怖いところは…
・瑕疵の保証がなく現状で引き受けなければならない(あらかじめ内覧できません)。
・権利関係でトラブルがあっても自己責任で解決。
・占有者の退去が上手く行かなければ強制退去という方法がありますが、費用がかかります。
入札すべき対象を選ぶときには、“三点セット”を読み込んで、トラブルが起きにくい条件の物件を探すことが必要です。
市場価格より安く購入できても、トラブル解決に費用と手間がかかったのでは骨折り損になってしまいます。