“競売になれば、ほとんど半値みたいなものだ”そんな言われ方をする競売ですが、なぜそんなに安くなってしまうのでしょう?『市場価格の56%程度』といわれる数字の根拠はどこから来ているのか、お話しましょう。
■『不動産鑑定士』が評価している
競売の対象になった物件の評価は、『不動産鑑定士』が現地調査実施して算出します。
まず、現状から一般市場価格に準ずる価格を出します。ところが、競売では、内覧せずに決めなければなりませんし、瑕疵などに対する保証がありません。
一般の売買と比べて、購入者にとってリスクが生じるかも知れない特殊な事情があります。
こうした、特殊な事情を織り込んで、競売での『売却基準額』が決められています。
売却基準額は、市場価格の7割程度になります。
また、安すぎる落札を防ぐため『入札可能額』は、売却基準額の8割以上を目安にする取り決めがあります。
・市場価格×70%=売却基準額
・売却基準額×80%=入札可能額
はじめに基準とした市場価格と、入札可能額を比べると、56%になっていることがわかります。
元の持ち主から見ると、資産価値が目減りしてしまう印象ですが、購入者からすると、安く物件を手に入れられる手段とも言えます。
■ほぼ半値ならリスクは怖くない?
競売を使ってここまで価格が下がるなら、個人で入札してみたいと考えるかたもいらっしゃるでしょう。
競売への入札は、一般的な不動産購入に問題のない人なら参入できます。
宅建資格など、特別な条件はありません。資金さえあれば、競売の入札に申し込むことが可能です。
しかし、競売では購入後に見つかった瑕疵、対応に困る残置物があった場合にも、自己責任で対応しなければなりません。
残置物については、法的な手続きに則って処分しなければ、訴訟問題に発展する可能性があります。
競売物件についての、『現況調査報告書』『評価書』『物件明細書』の三点セットの内容を熟読し、リスクが少なくて、希望の条件にあうか判断が必要です。
■リスクを下げて価格も抑える方法は?
リスクなく低価格の物件が欲しい…
業者流通の一般物件は、もちろん市場価格から大きく値引きにならないでしょう。
かと言って、個人での競売は、保証もなくリスクが高い。
では、“プロが低価格で仕入れた競売物件を、市場価格より安く買う”方法ならどうでしょう?入札先の選定や、入札額など、知識や経験を必要とする部分はプロに任せて、リスクを下げられる仕組みです。
『競売の代行』や『競売物件利用のリノベ物件』などを扱う業者もいますから、相談してみると良いですね。