不動産売却

不動産売却の確定申告と減価償却について

不動産を売却して収益が出た場合、確定申告で所得税を納める必要が出てきます。この、収益への課税額を計算するときには、減価償却や、取得費用を考慮して算出することになっています。不動産売却したときの税金についてお話しましょう。


■不動産売却した時の確定申告

不動産売却をしたら、確定申告をします。
不動産の売買で得た所得は、『譲渡所得』として、給与所得などの、他の収入から切り離して考える『分離課税』です。
ざっくりいうと、譲渡価格から、減価償却費と取得費・購入手数料などを差し引いた物件価格とします。
この、減価償却費の計算方法は、事業用のもと事業用ではないもので違ってきます。
事業用⇒毎年の減価償却費の合計額
事業用ではない⇒耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定額法の償却率×経過年数
『減価償却費=建物購入費×0.9×償却率×経過年数』
償却率は、事業用か否か、建物の材質構造が『木造』、『軽量鉄骨』、『鉄筋コンクリート造』なのかによって変わってきます。
定額法の減価償却費を、A.事業用ではない場合と、B.事業用の場合を書き出してみると…
『木造』A.33年(償却率0.031)、B.22年(償却率0.046)
『軽量鉄骨』A.40年(償却率0.025)、B.27年(償却率0.0638)
『鉄筋コンクリート造』A.70年(償却率0.015)、B.47年(償却率0.022)
(参考)No.3261 建物の取得費の計算
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3261.htm


■実際の減価償却費の計算は?

事業用ではない軽量鉄骨の建物を1500万円で取得して15年経過した場合の減価償却費は…
『減価償却費=1500万円×0.9×0.025(償却率)×15年=506万2500円』
この建物の取得費は、『1500万円-506万2500円=993万7500円』となります。
15年前に1500万円かけて購入した家を、同じ1500万円で売ることに成功した場合、993万7500円の所得が発生してしまうのです。(実際は売買で発生した手数料なども計算に入れますが、ここでは割愛します。)
また、土地には減価償却がありませんから、土地の価格は別に計算し、手にした金額が取得額を上回れば課税所得になる可能性があります。


■マイホームの売却では特典がある

不動産売却の確定申告では、不動産売却で譲渡所得を得た場合、所有期間5年以下の短期売買では税率が30%、5年を超える長期売買では税率が15%です。
15年所有の家を売って、993万7500円の所得×15%≒149万円!
しかし、マイホームの売却では特例措置があり、所有していた年数に関係なく、3000万円までは控除されます。
また、相続で受け継いだ家の売却でも、要件に当てはまれば、3000万円の控除があります。

(参考)No.3302 マイホームを売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

(参考)No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3306.htm

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