不動産売却

空き家にしておくと税金が上がる時代になる

2015年に『空き家対策特別措置法』が施行され、税制や法律分野での空き家対策が前進しました。『空き家にしておくと税金が上がる』とはどういうことなのか、住めない家を相続したらどんな問題が持ち上がるのかなど、空き家と税金についてお話ししましょう。


■建物を放置すると税金が上がるかも知れない

土地家屋を相続しても、職場が離れていたり、すでに自宅を持っていたりして、住むことが出来ない場合が増えています。
修繕や取り壊しには費用がかかりますし、更地にした場合には、宅地としての税の優遇がなくなります。
最大で6倍にもなるというのですから、その負担は大きく、できるだけ放置してギリギリまでもたせた方が良いというケースも多かったのです。
東京都23区では、東京主税局が固定資産税を管轄しており、小規模住宅の特例を利用している土地の固定資産税額が1/6になっています。
(参考)東京都主税局『住宅用地とは何ですか。また、住宅用地に対する特例措置とは何ですか』
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/tozei/index_o.htm#o20

ところが、『空き家対策特別措置法』の施行によって、『特定空き家』に指定された場合には、宅地としての税制の優遇は受けられなくなることになりました。
所有者が責任を持って管理しなければ、後々に問題が積み残されていくともいえます。


■『特定空き家』と固定資産税

老朽化でキケンな状態になっている、庭木や雑草が周辺に迷惑をかけている、ゴミが山積みになっている…こうした、周辺住民に迷惑をかける状態になった空き家は、『特定空き家』として指定し、自治体が介入できることになっています。
① 現地調査のうえ『特定空き家』として指定
② 助言や指導
③ 受け入れない場合、勧告
④ 勧告に応じない場合、命令
⑤ 命令に応じない場合『行政代執行』
ざっくり言って、5つのステップを踏んで、行政側が、強制的に解体や撤去を実行できるのです。
税制の優遇については、①の『特定空き家』に指定されたところでなくなります。


■『譲渡所得の特例』利用は3年以内

相続した住宅の活用方法が定まらずに、とりあえず“放置”することを選んでしまう環境を改善する方向に制度が変わってきています。
『譲渡所得の特例』として、相続した住宅を売却したときに取得金額を上回った場合でも、3000万円の控除が使えますし、『相続税が取得費に加算される特例』など、3年以内に売却すると、譲渡所得にかかる税金の優遇が受けられるのです。
将来的な計画の定まらず、空き家のまま持ち続けるくらいなら、早く売却に踏み切ったほうが良さそうですね。

No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3306.htm

No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm

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