国政の場でも空き家への対策が始められているように、空き家の増加が社会問題になっています。なぜ空き家が問題になっているのか、そして、空き家問題が身近におこったときの対策について考えてみましょう。
■空き家の原因について
・相続したものの活用できないでいる
・所有者が高齢で施設に入居した
・売却を希望しているが買い取り先が見つからない
・都市部では法改正によって建替えが難しいケースがある
・相続の調整がつかずに使われないままになっている
総務省が昭和38年から5年毎に行っている土地統計調査では、空き家は毎回増加を続け、平成25年の調査では、空き家率13.5%という結果でした。
人口減少で、住宅数がニーズを上回っているというだけでなく、少子高齢化、税制、建築法の影響を受けていることが“特定空き家”といった問題を大きくしているのです。
都市部では、管理責任者が曖昧なまま、老朽化でキケンな建物が増えたことへの対応が急がれています。
■相続された住宅と空き家
核家族化が当たり前となり、就職や結婚を機に独立する生活スタイルが、現代では当たり前となっています。
しかし、高齢になって施設への入所が必要になったり、病気で長期入院になったりすると、自宅には住めない状態が続きますし、いざ、贈与や相続となった場合にも、引き継いだ人が住めず、管理も出来ないといった事態が起こります。
その上、更地にすれば固定資産税が高くなりますし、取得評価額よりも高く売れれば所得税がかかって来ますから、相続後、どのように扱うか頭の痛いところです。
相続の場面で空き家にせざるを得ない要素が大きく、2016年になって『空き家対策特別措置法』による、空き家対策が全面施行となりました。
自治体による空き家バンク、条例や解体費用補助、民間団体の活動(一般財団法人 世田谷トラストまちづくりなど)の利用、売却の検討など、相続の当事者になった場合には早期に動く必要があるでしょう。
■空き家を売却するには?
中古住宅市場の活性化についても、国土交通省主導で整備が進んでいます。
インスペクション(住宅診断)や、瑕疵保険など安心して中古住宅を購入できる環境を整えることで、価値を高めて売るビジネスを応援している流れになっています。
一般的な不動産業者に仲介をお願いするよりも、リノベーションで住宅の価値を高めるビジネスを得意としている業者に依頼すると、スムーズに売却できる可能性が大きくなります。
デザイン性や居住性に優れたリフォームで物件の価値を高めてくれるからです。
贈与や相続で住宅を引き継ぐ場合には、早い時期にセンスあるリノベーションを得意にしている業者に相談すると良いでしょう。