持家や不動産を持っている方は、建物を維持していくうえで避けられないリフォームですが、出来る限り費用はおさえつつトラブルなく、納得のいくリフォームを行いたいと思うのが当然ではないでしょうか?今回は、リフォーム会社の利益率の面から、賢いリフォーム業者選びについて注目してみましょう。
■リフォーム業界の利益率は高い!?
建物に関わる工事として、大きく分けて新築、建替え、リフォームといった3つが考えられます。それぞれを専門としている業者や、全てを総合的に行える設計会社、工務店、他にも設備メーカーなど業者も様々です。その中でも、リフォーム業界は実は利益率が高く設定されているのを、ご存知でしょうか?新築業界の中小の工務店では、一般的な粗利率は20%前後が想定されているのに対し、リフォーム業界では、30~35%で想定されている場合が多いのです。
■利益率が高いのはナゼ?
リフォームは新築と比べて、工事単価が低いわりには、工期や手間がかかり儲からないと言われています。また、新築のような全ての建物に対応できるような金額設定は大抵の場合難しく、建物の状態や環境、リフォーム内容など、それぞれ金額は異なり曖昧になりがちです。そのため、リフォーム業界は全体的に新築業界と比べ、利益率を高く設定しています。しかし、それだけが問題ではなく依頼した会社の形態が問題となっている場合があります。
例えば、見積もりを出す営業マンにリフォームの知識が無い可能性があります。営業マンは現状の確認のために大工さんや設備屋さんを現場調査に連れてくるかもしれません。そして、各職人に見積もりをだしてもらい、それを元に自社の利益を上乗せしてお客様に提出します。しかし、知識がなく何度も現場に職人を呼んだり、見積もりを業者に丸投げしている場合は営業マンの手元に見積もりがくる時にはすでに、職人さんたちの利益が入った見積もりになっているのです。また、図面が必要なリフォームの場合は、自社で設計士が居ないと下請けに依頼します。下請け業者が関われば関わるほど、それぞれが利益を乗せるので、お客様の手元に見積もりが届くころには、その分リフォーム費用が高くなっているというわけです。
■見積もりをしっかり確認する!
しかし、実際にリフォームをお願いする側は、その業者の粗利率など細かい点までは判断することができません。それでも、見積もりをしっかり確認することによって、適正価格でのリフォームが行われるかを判断できます。○○工事一式といった大きな項目で分けられていないでしょうか?ひとつひとつの金額が分からないために、設備機器や人工代に利益を上乗せして提出している可能性もあります。工事一式となっていたことにより工事内容に関して業者と依頼者の間にズレがあり、工事が終わったあとに追加工事として別費用を払わなければいけなかった方も多くいます。見積もりを提出された時点で、細かい費用を確認していれば無駄なお金を払うことも、追加工事による工期の延びというリスクも避けられます。
また、見積もりが適正価格かを把握するためにも2社以上の業者から相見積もりをとることをおススメします。自社で現場調査や図面をかける人がいるところは、その分が安くなっているなど分かるかもしれません。そして、利益率の上乗せといった「高すぎる見積もり」だけでなく、手抜き工事になりかねない「安すぎる見積もり」の原因も見抜けるかもしれません。
・まとめ
単価が安いわりに工事の手間がかかることや、建物それぞれにあった工事を行うため、リフォーム業界の利益率は新築業界に比べ高めに設定されているのは事実です。しかし、業者によっては、営業マンの知識や経験不足を補うために高く設定されている場合もあります。適切なリフォーム金額が設定されているか、「一式」といった表記で金額が曖昧にされていないか、不必要な経費にお金を使うことになっていないか、相見積もりを行うなど見積もりの際にしっかり確認するようにしてください。建物の維持にかかせないリフォームを満足して行うためにも、良い業者選びは重要です。