平成25年住宅・土地統計調査では、空き家率が加速的に増加していることが明らかになりました。『空き家対策特別措置法』が平成27年に施行されましたが、野村総研が公表した空き家率では、平成45年には30.4%を超えると予想されていました。今後の空き家率について考えてみましょう。
■空き家率の見通しはどうなる?
人口の減少に伴って世帯数がしていくのですから、既存住宅の撤去なしに新しい宅地に新築物件が立つ限り、空き家率は下がることはないでしょう。
・必要数に見合った住宅供給数のバランスを保つ
・都市計画に沿った市街区の調整
これらが上手くコントロールできるのかが、空き家率低下のカギになります。
また、流通する中古住宅の割合が、欧米と比べて日本は極端に低いことが国土交通省の調べでも報告されています。新築嗜好を転換して、中古住宅の価値が補償される仕組みづくりも必要だと訴えられています。2015年の『空き家対策特別措置法』から、空き家減少といった報告はまだされていませんが、やや、中古マンションを検討する動きが上向いていると『平成28年度住宅市場動向調査』では発表されています。
(参考)国土交通省 中古住宅流通促進 中古住宅流通促進・活用に関する研究会(資料)
http://www.mlit.go.jp/common/001002572.pdf
(参考)国土交通省 平成28年度住宅市場動向調査について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000116.html
■日本で中古市場が活性化されるためには?
住宅の取り壊し、建替えまでの年数を比べると…
・日本32.1年
・アメリカ66.6年
・イギリス80.6年
建替えのサイクルが早く、住宅数が増え続けてきたことが空き家増大に繋がって来たと考えられます。中古住宅を購入する場合、その品質を保証するルールがあいまいで、建物の価値は、年を経るごとに目減りしてしまう傾向にありました。これでは、中古住宅を、安定した価値を持った資産として考えることができません。ホームインスペクションや瑕疵保険などの仕組みが整備されると、安心して中古住宅を検討出来ますね。
■優良な中古物件を提供できる市場に期待
中古住宅の販売業者とは違った第三者機関が、瑕疵のない物件だと診断していると安心です。現在、ホームインスペクター協会による認定があり、瑕疵保険に加入するためにはホームインスペクションが必要です。
中古住宅市場でも、物件の価値を高めるリフォームを行って、こうした保証制度をつけている良心的な業者なら信頼出来ます。空き家が有効活用されて、今後の空き家率増加に歯止めがかかって欲しいものです。もし、空き家の処分を迷っているなら、購入者へのアフターフォローまで考えている業者への相談をおすすめします。