古い家がお荷物扱いのイメージを持たれかねない“空き家問題”という言葉を聞きますが、レトロな味わいを生かしたおしゃれカフェや、立地条件を生かしてデザイナーズのリノベーション物件として再生される事例もあります。空き家再生の魅力について紹介しましょう。
■エリアの魅力を生かしたゲストハウス
街並みのレトロ感にマッチした古い建物を、リノベーションによって日本ならではの雰囲気が味わえる宿泊施設に再生させて人気を呼んでいる宿泊施設を紹介しましょう。適切な改修を加えることで、長く使える建物は多いと言うことですね。
『hanare』 (谷中)
まち全体を一つのホテルに見立て、宿泊棟を点在させています。古民家を利用した谷中の街の雰囲気に溶け込んだリノベ系の宿泊施設で、懐かしい和の雰囲気を味わえます。
『東京ゲストハウス レトロメトロバックパッカーズ』(田原町)
西浅草の一軒家を改装してオープンした素泊まり専用宿です。レトロな日本家屋の味わいをのこしながら、かわいらしい小さな宿は、外国人にも人気です。
『東京ゲストハウスtoco』(入谷)
築90年の古民家を改装したゲストハウスで、昔ながらの縁側、障子、庭には池や植木といった和の魅力が詰まっています。
■手頃な価格で満足のインテリアに囲まれる
都心の一戸建ては高価になりがちで、郊外のベッドタウンに住宅をもつ人が多かったのですが、このところは都心回帰の傾向が高まっています。
中古の一軒家ならば購入金額はやすく済みます。TVの人気番組ビフォーアフターで知られたように、築古の住宅でも、的確な改修さえ行えば、家の寿命は伸ばせますし、『匠』の手にかかれば、間取りさえも変更が可能で、新築同然に再生することも可能です。
しかも、都心の立地ならば、郊外での新築建売やマンションと変わらない費用で、通勤時間の長さから解放されます。国政の場でも、中古住宅を資源として活用することが掲げられていますし、今後も、手頃に都心に暮らせる方向に活用できる仕組みづくりがすすめられていくでしょう。
お気に入りのテイストにリノベーションされたセンスの良い中古住宅のニーズは高まって行くでしょう。
■空き家再生と中古人気がリンク
中古住宅の活用のさせかたも、単純に不動産業者が仲介するだけでなく、デザイン性や、最新の設備、暮らしやすさをリノベーションで付け加える手法が伸びていくでしょう。
こうしたリノベーション住宅を得意分野として扱う業者は、ホームインスペクションや瑕疵保険、ローンの手配や手続きなどにも慣れていますから買いたい・借りたい人にとってもメリットがあるだけでなく、売りたい・貸したい人にとってもメリットが感じられる仲介の担い手となっているのです。