空き家の増加が社会問題として話題になり、2015年には『空き家対策特別措置法』が施行されました。特定空き家として解体されたり、都市再生事業が進められたりされるようになってきています。空き家の増加と都市計画について知って、住宅の価値をゼロにしない方法を探っていきましょう。
■放置空き家の価値はゼロやマイナスになる
総務省の統計によれば、この20年で空き家は1.8倍にも増加しているといいます。
(参考)総務省 平成25年住宅・土地統計調査 特別集計
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/tokubetu_2.htm
考えられる原因としては…
・高齢両親の家を放置している
・税制面で家屋があったほうが有利だった
・需要と供給のバランスが崩れている
・都市計画がずさんなため宅地が広がりすぎた
『空き家対策特別措置法』が施行され、住宅問題の軌道修正がはかられています。
特定空き家に指定することで、戒告や行政代執行によって、老朽化でキケンな状態、景観悪化、衛生環境の改善に自治体が介入できる仕組みが出来ました。
住宅を持っているのに、空き家のまま放置しているとしたら、その価値は下がって行くのに、管理や固定資産税などのコストばかりがかかる状況になっていきます。
■都市の計画の見直しと中古住宅
都市計画のアンバランスを見直し、コンパクトで住みよいまちづくりを考えた都市再生計画が進められるようになってきました。
高度経済成長の時期に建築された住宅、インフラがどちらも老朽化してきていますし、出生率が2.0を下回っている限り、人口減少は避けることが出来ません。
東京では、都市計画区域マスタープランとして、「環状メガロポリス構造」など、国際競争力向上や住みよいまちづくりに取り組んでいます。
中核~都心居住区にかけての計画で注目したいのは、『再生計画』です。
都市計画に沿って住宅資源の活用にも注目が集まるところですし、コミュニティづくりという視点と都市機能についても考えられる方向で再生が進んでいます。
また、使われずに放置している空き家や土地は、国の中古住宅を資源として活用するべきだという考えからも、再生や活用が後押しされています。
■“お荷物”から“資源”として輝く
空き家増加が社会問題化され、日本の将来像に影を落とす“お荷物”だった不動産が、生かし方次第では“資源”として輝く可能性が大きくなったと言えるでしょう。
人口減少で、住宅の価値は下がる一方だと言われますが、東京のように都市の将来像を見据えて計画的な再生計画を進めているエリアでは、中古住宅の利用価値は高いのです。
若い世代に住宅を受け渡し、住みよいまちづくりを進めることは、公益性も高い事業です。
中古住宅活用を得意とする不動産業者の活躍によって、魅力あるまちづくりが進みそうですね。