不動産売却

不動産売却の委任状について

高齢の両親からや、海外在住の兄弟から不動産の売却を相談された場合、委任状をもらって代理で手続きを行うことが可能です。委任状作成のポイントや、代理で不動産の売却をすすめる手順などについてお話しましょう。


■本人不在の不動産売却について

親が長期入院や介護施設入所となり、自宅の売却を相談されるといったケースが増えています。
高齢になって一軒家を管理しきれなくなって、高齢者向けマンションへの住み替えを検討する場合もあるでしょう。
自宅をできるだけ高額で売却できれば、住み替えの資金に充てることもできます。
ご本人が、契約手続きできない事情があるときには、委任状を作成して、代理となることができます。
ただし、不動産売買契約は高額の取引になりますから、親族が代理になるなど、トラブルに発展しない条件のもと行われるべきです。
“委任”となれば、契約内容の決定権もおまかせするということになりますから、個人の間でそこまで任せてしまうのは、詐欺やトラブルになりかねず、注意が必要です。
委任の範囲・内容を吟味し、所有者本人の意思確認を行って実印を使って押印した『委任状』を付く必要があります。


■委任状に形式はあるの?

決まった形式はありませんが、委任する範囲・内容を明記しなければ、なんでもできてしまい危険な面があります。
民法99条に定められている「代理」の概念では、委任状によって権限を託された人を『代理人』と呼び、その意思決定は、本人が認めたものとして扱われます。
・売り主の署名と実印による押印、印鑑証明書
・代理人の身分証明書類
委任状の内容は…
・地目や地積、所在地、構造など不動産の情報
・売却価格や手付金の額
・引き渡し期日や有効期間
・禁止事項
・最後には『以上』と記載(勝手な追加ができないようにする)
気心がしれた親子間でも、契約についてどこまでの権限を与えているのか、委任状に記載して手続きをすすめることが必要です。


■認知症など判断能力がない場合には?

家庭裁判所によって専任された成年後見人が、本人のために必要な費用を捻出するために売却する場合にのみ認められています。
子が後見人になることは可能ですが、家庭裁判所の決定に従わなければなりません。
ケースによっては、弁護士など、親族以外が選ばれることがあります。
本人の意思を尊重して手続きをすすめるためにも、元気なうちに不動産を相続で譲り渡すのか、売却するのかなど話し合っておくことが大事です。
住み替えや老後資金に生かしたいと考えているなら、早めに不動産業者に問い合わせしておきましょう。

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