不動産売却

空き家の現状はどうなっている?

空き家が社会問題として取り上げられるようになって、法整備が進められるようになりました。ここ20年で倍増した空き家ですが、キケン空き家は、特定空き家として自治体がアプローチできる体制が整いました。空き家の現状と今後の見通しについてお話しましょう。


■平成25年からの空き家の現状

総務省では、住宅・土地統計調査を昭和33年から5年ごとに行っており、平成5年の調査で、住宅数が世帯数を上回った数は472、平成25年の調査では825となっています。
空き家の種類を、①賃貸予定、②売却予定、③二次的利用(セカンドハウスなど)、④その他とした時、④の戸数が増加していて、中でも高齢者所有の物件が活用されずに空き家になる傾向が浮かび上がっています。
また、空き家になる物件の特徴としては、木造戸建て住宅(69%)、接する道路が4m未満(45%)、最寄りの交通機関まで1km以上離れている(64%)という結果でした。
古い住宅を相続したけれど、管理しきれずにそのまま空き家になるという住宅は、今後も増える傾向にあり、住宅供給数と世帯数のバランスが整わない限り難しい問題です。

(参考)国土交通省 空き家の現状と課題
https://www.mlit.go.jp/common/001125948.pdf

野村総研では、平成45年(2033)までに既存住宅の流通量は、総住宅数は約7,130万戸へと増大し、空き家数は約2,170万戸、空き家率は30.4%に上昇すると予想しています。

(参考)野村総研 『2030年の既存住宅流通量は34万戸に増加』2016年6月
https://www.nri.com/jp/news/2016/160607_1.aspx


■2017年5月までの現状は?

・2015年5月に『空き家対策特別措置法』施行
・2016年3月に『住生活基本計画』閣議決定
キケン空き家への早急な取り組みとして、自治体が『特定空き家』と指定した場合、解体や撤去の行政代執行が可能になりました。
2015年の代執行は、略式を含めて14件と前年の7件から倍増しました。
しかし、所有者が亡くなっていたり、経済的に困窮していたりして、撤去費用が回収できないケースも多く、税金で補填される形となっています。


■空き家の循環が進むことが重要

税制の面でも、宅地の固定資産税の優遇は、特定空き家にしてされると受けられなくなります。
更地より税金がやすくなるから…とはいえなくなります。
売却して不動産所得を得た場合では、相続から3年以内ならば、控除などの特例が使えます。売却する場合には、その間に話を進めるのが良いでしょう。
また、2017年度の予算案には『空家・空地などへの流通活性化の促進』に向けた予算が、1.1億円ついています。
空き家バンクの形式を全国的に統一して、検索しやすくする仕組みを整えることや、先進的な取り組みをする業者への後押し、中古住宅の再生事業をサポートするファンド事業を進める動きが出てきそうです。

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